7月6日、ロンドン時間の午後12時45分、私はトラファルガー広場で固唾を飲んでいた。
2012年のオリンピックがどこに決まるか、その発表の瞬間を家のテレビではなく、何万人の観衆とともに見届けたいと思ったからだ。

その前日、ABCのおはようパーソナリティ道上洋三です　のディレクターさんからメールを頂き、ロンドンが選ばれた際には、ラジオ出演してほしいと依頼を受けた。

もちろん、二つ返事で引き受け取材という名目で（実際は楽しむために）町に出たのだ。

正直、パリの方が有利だといわれていただけに、駄目だったらここにいるみんなはどんな反応をするのだろうか・・・と不安もあり、ドキドキしていた。
“LONDON”とアナウンスされたその瞬間、男泣きする人、夫婦で泣いて抱き合う人、、、。トラファルガー広場は、歓声、悲鳴、紙ふぶきと想像以上の盛り上がりだった。

2012年という事は今から7年後。
果たしてその頃までロンドンにいるかどうかはわからないが、決まる瞬間を味わえただけでもうれしかった。（お祭り好き！）

そして、その翌日、ロンドンで同時多発テロが起きた。
地下鉄、バスが爆弾で吹き飛ばされ、700人を超える死傷者がでた。

事件発生時、私は家にいた。事件現場近くで働く知り合いも幸い巻き込まれていなかった。
が、電話回線が混雑していたため、その安否を確認するのも一苦労だった。
BBCニュースはしきりに、家を出ないようにとアナウンスしていた。
怖かった。また次にどこかで起こるのではと思うと、今も不安でたまらない。

何のためのテロなのか。何故、ただいつも通り会社に向かっていた善良な市民が殺されなければならないのか。考えれば考えるほど、怒りと悲しみがこみ上げる。

一日で喜びの絶頂から、恐怖のどん底に落とされたロンドン。

これからどんな事が起こるかわからない。
それは、どこに住んでいても同じ事だと思う。
だからこそ、一日一日を大切に過ごしたい、強くそう思わずにはいられない。
今まで、しょっちゅう遅れたり、止まったりするロンドンの交通機関について腹立たしさを通り越して呆れていたが、今はただ安全に運転してくれることを祈りたい。

「しばらくは家を出たらあかんよ」など、安否を気遣う電話やメールをたくさんいただき、ありがとうございました。
まだ電車・バスに乗るのは怖く、ビクビクしながらではありますが、なんとか無事でやってます！！

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